先週の月曜日にロレックスの2023年新作が発表された(関連記事参照)。その顔ぶれを見てみなさんはどう感じたのだろうか。筆者がまず驚いたのは新作として発表されたモデルの多さである。基本的には既存モデルのバリエーションだったが、内容はともあれ毎週連載コラムを書いている身としては、ネタがいっきに増えたため、大助かりだ。http://www.noobshop777.com/
そんな新作については、次週から一つひとつ掘り下げて紹介するとして、今回は生産終了となってしまった“ミルガウス”についてあらためて紹介したいと思う。
機械式の腕時計の天敵と言えば“水”と“磁気”である。そんな厄介者のひとつ“磁気”に対抗するべく優れた耐磁性能に特化して開発されたのがミルガウスだ。そのため名前もフランス語で1000を表す“ミル”と磁束密度の単位“ガウス”を組み合わせた造語であることは有名だ。
つまり1000ガウス[8万A/m(アンペア毎メートル)]の磁場に耐えうる性能を有した耐磁時計である。そして、そのファーストモデル、Ref.6541が誕生したのは1956年のこと。実に60年以上も前だ。