時計の製造年やストラップの有無によって市場価格に大きな差が出るため、予算に応じて適切な品質の時計を選ぶことができます。写真の1973年製Ref.1680/8にはマークVベゼルとレザーストラップが装備されており、価格も手頃になっています。文字盤をよく見ると雰囲気のある黒富士文字盤。ルーペで見ると若干の粒状感はあるものの、肉眼では全く気にならない程度で、文字盤の縁に剥がれなどもありません。この時代によく見られる文字盤。実はオールゴールドの時計には文字盤のバージョンがいくつもあります。写真の時計は、その年式にマッチした良い時計です。ところで、富士山ダイヤルについて簡単に説明しておきます。フジツボダイヤルとも呼ばれています。1960年代から80年代にかけて生産されたグリニッジシリーズやサブマリーナモデルに見られます。特徴は、時間表示の金色の部分がマーカーは大きく、発光部分は小さい。海岸の岩にとまったフジツボのようだ。

ベゼルは前述の通りマークV。この時代はマークIIIのベゼルと合わせるのが多いのですが、なぜかフルゴールドモデルのベゼルが交換されているものが多く、発売後は評価が大きく下がります。サービスベゼルになります。しかし、この時計のベゼルはサービスベゼルではありますが、1980年代に交換されたもの（つまりフルゴールドのマークVベゼル）なので、非常に貴重でもあります。

ケースには研磨の跡が残っていますが、形状はそのままで、側面のラグ穴も変形していません。もちろん、金の質感上、多少の傷やへこみは避けられませんが、大変珍しいオールゴールドの時計ですので、磨かずにそのままの状態で保管していただくのがベストです。