本作の真髄は「矛盾の調和」にある。ロレックスが特許を持つエバーローズゴールドは、海水腐食に強い銅を配合し、世紀を超えて色褪せない。オイスターフレックスストラップは、チタン・ニッケル合金の骨格をブラックゴムで被覆——ヨットデッキの過酷な環境でも、社交界のエレガンスでも違和感なく輝く。回転ベゼルの目盛りは、セラミック製「セラクロム」にプラズマ技術で金属を定着させ、永久に視認性を保つ。  

革新のキャリバー3235は、パラクロムヒゲと高性能シロキシ遊絲を搭載。70時間のパワーリザーブを保持しつつ、-2/+2秒/日の精度を実現。クロノエネルギー脱進機の効率化により、磁気耐性はスマートフォン社会の電磁波を無力化する。防水100メートル性能は、セーリング中の衝撃もビジネスミーティングの緊迫感も等しく凌駕する。  

しかし真の価値は「海への回帰」にある。2017年、シドニー・ホバートレース優勝者が荒天海域で本作を着用し、ナビゲーションを支えた逸話がその実用性を証明。ダイアルのブラッククローム加工は、ロレックスがヨットマン向けに開発した「グレア低減技術」の結晶で、真昼の太陽光下でも視認性を確保する。  

エバーローズの情熱とオイスターフレックスの革新性——この時計が刻むのは単なる時刻ではない。紆余曲折を経て港に戻る航海士のように、成功と挑戦を繰り返す現代人へ「不変の輝き」を約束する「海の勲章」。ヨットマスターの針先が指すのは、常に新たな水平線である。